”精霊流し”といえばある程度の年齢であれば、さだまさしさんの曲でご存知だと思います。

実際にはグレープという、さだまさしさんがいたフォークデュオの曲ですが、
精霊流しに馴染みのない人たちにとっては故人を歌ったものということもあり、
「怖い」といったイメージを持っていることも多いようですね。

確かに出だしのギターの旋律がちょっと恐ろしいです・・・(笑)

さて、曲のことは置いておいて、今回ご紹介したいのは行事である精霊流しについてです。
「精霊流し長崎2017」の日程や、概要などについてご紹介させていただきます。

  

イメージと違う!?精霊流しとはどんなもの

長崎県の海に近いところの各地、
熊本県や佐賀県の一部の地域で毎年8月15日に行われている伝統行事です。
初盆を迎える故人の霊を精霊船(しょうろうぶね)に乗せて、
「流し場」と呼ばれるところまで数時間もかけて運ぶものです。

精霊船は個人で作るものと、自治会などで作るもやい船などたくさんあり、
大きさも全長が1メートルくらいのものから、大きいものでは連ねると
50メートルくらいになるものまであるようです。

盆提灯や造花などで飾り付けられ、
掛け声とともに鐘や爆竹を鳴らしながら市内を練り歩きます。

こちらが精霊船です。

お祭りの山車のように見えますが、あくまでも仏教の行事。
鳴らされる爆竹の量がハンパなく、なんと国内の爆竹消費量の半分が長崎で、
ほとんどこの8月15日に使われるとか。

精霊流し

しめやかに行われるイメージでしたが、全然違いますね。
絶対に耳栓は必需品です!

爆竹は本来魔除けの意味がありますが、
どんどんパワーアップして危険な点火行為が増えたため、
ロケット花火の使用が禁止されたりと問題視されています。

精霊流し長崎2017の日程や交通規制など概要について

・開催日 2017年8月15日
・開催時間 17:00?22:00くらいまで
・開催場所 長崎市内中心部一帯

始まる時間は特に決まっているわけではなく、
家庭によってはお昼過ぎから爆竹を鳴らすこともあります。

交通規制は2017の正式な発表はまだですが、
例年だと夕方6時頃から交通規制が始まり、全面解除は夜の11時頃。

一般車両の他にも路線バスや市電も路線変更や指定区間の運休などもあります。
特に船が多く通る場所は、長い時間車が通ることができなくなります。

また、走っている車めがけて爆竹が飛んでくる、
といった怖いことも少なくないようです。

長崎駅からメイン通りまでは徒歩でも行ける距離なので、
公共の交通機関を利用した方がいいかもしれません。
市電も船の通りが落ち着くと動き出すので、帰りの心配はなさそうです。

精霊流し

どこに行けばたくさんの精霊船が見れる?

精霊流し

長崎県庁前の県庁坂にいるとたくさん見ることができます!
1番大きな流れは諏訪神社から県庁を通って、流し場のある大波止に向けていくラインです。

いろいろな場所から流し場を目指して集まってくるので、
混雑が苦手な人はこのコースから少し外れたところで見るのもいいかもしれませんね。

例年1,500ほどの精霊船が出るようで、20万人近くの人出があるそうです。

精霊流しは爆竹の音にも気をつけなければいけませんが、爆竹の動きにも注意が必要です。
爆竹って結構あちこちに飛び回ったりするんです!

毎年トラブルもあるようなので、下手をすると着ている服に穴が開く、なんていうことも・・・。
近くに寄りすぎないようにした方が無難ですね。

そして流し場にたどり着いた精霊船は、
昔は実際に海に流していましたが長崎では明治4年に禁止されています。

現在は海に流されることはなく、精霊船はほとんどが流し場で解体されます。

流し場となっている場所には解体用の重機が置かれ、
遺影や位牌などが取り外され、合掌の中解体されます。

精霊流し

まとめ

精霊流しは8月13日にお迎えした故人の霊を8月15日に極楽浄土へ送り出す行事です。
精霊船を海に流すことで送り届ける、といった意味がありましたが、
近年は流し場で解体、実際に海に流すことはなくなりました。

故人の霊が
「環境のためには仕方がない。ここで良いよ」
と笑顔が旅立って行かれることを願っております。